『1000の風』 訳 南風椎
私の墓石の前に立って
涙を流さないでください。
私はそこにはいません。
眠ってなんかいません。
私は1000の風になって
吹きぬけています。
私はダイアモンドのように
雪の上で輝いています。
私は陽の光になって
熟した穀物にふりそそいでいます。
秋には
やさしい雨になります。
朝の静けさのなかで
あなたが目ざめるとき
私はすばやい流れとなって
駆けあがり
鳥たちを
空でくるくる舞わせています。
夜は星になり、
私は、そっと光っています。
どうか、その墓石の前で
泣かないでください。
私はそこにはいません。
私は死んでないのです。
Copyleft by Hae Shii 1995-2010
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新井満さんの『千の風になって』を知っている方は、大勢いらっしゃると思います。
秋川雅史さんが歌って有名になった『千の風になって』といえば、更にご存知の方は多くなると思います。
では、南風椎(はえ・しい)さんのお話を知っている方は、どれくらいいるでしょう。
私は今日、お友だちがFBで紹介していたのを見て、初めて知りました。
私は実は『千の風になって』は、好きではなかった。。。
でも、南風椎(はえ・しい)さんの『1000の風』を読んだら、すぅ〜っと心に入ってきた。ストン、と。。
そして、『千の風になって』に感じていた違和感のようなものは、こういうことだったのか、と納得しました。
南風椎(はえ・しい)さんは、新井満さんよりかなり前に、デーブ・スペクターさんから、この詩を教えて貰ったのだそうです。
本にもなっています。
南風椎(はえ・しい)さんのブログ、『1000の風』と『千の風になって』 1 | 南風椎の「森の日記」を読んで、私はいろいろなことに仰天しました。
そして、新井満さんにとても失望しました。
南風椎(はえ・しい)さんの知的で素敵な言葉、人柄が窺えるその文章に、私は心をぐっと掴まれました。
すっかりファンになってしまいました。
少し長いですが、ぜひ多くの方に読んで欲しいと思います。
★追記★
上の詩をもう一度見てください。
Copyright ではなく、Copyleft となっていることに、皆さん気づきましたか?